子宮脱を自分で治すことは可能?症状、予防・治療方法を解説

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子宮脱を自分で治すことは可能?症状、予防・治療方法を解説

「自分で子宮脱を治すことはできるのだろうか?」とお悩みでしょうか?

子宮脱が生じると排尿・排便が困難になったり、性機能障害に陥る場合もあり、予防や治療ができるならばそれに越したことはありません。

しかし子宮脱を診てもらうのが恥ずかしいため、病院には行かず「自分で治したい」と思われる方も少なくないようです。

本記事では、病院に行かず自分で子宮脱を治すことができるのか?という疑問や、予防方法、子宮脱のリスクなどについて解説をします。

子宮脱とは?

子宮脱自分で 治す

子宮脱とは、子宮が膣側へ下がることによって、外陰部に子宮が出てしまう症状を指します。他にも膀胱脱や直腸脱などの症状もあり、これらをまとめて「骨盤臓器脱」と呼びます。

本項では、子宮脱の主な症状や子宮脱が起こりやすい女性の特徴について解説をします。

子宮脱の主な症状

子宮脱の主な症状には、以下が挙げられます。

  • ○お腹の中が下がったような感覚がある
  • ○股間に何かが挟まっているような気がする
  • ○ピンポン球のような物が外陰部に触れる
  • ○お腹に力が入った時に、何かが出てくる感じがする
  • ○トイレが近くなる
  • ○尿もれ・便秘などの排便障害が生じる

しかし無自覚の女性も多く、子宮脱と他の症状の関連性に気づかないという場合も少なくありません。

骨盤臓器脱のステージ分類

子宮脱を含め、骨盤臓器脱のステージ分類には「ICS分類」と呼ばれる国際尿禁制学会が制定したステージ分類方法が用いられることが主です。

この分類法は、膣内を9つの部分で測るPOP-Qというステージングが用いられますが、ここではその簡易版として4つのステージを紹介しましょう。

ステージ1:膣口から-1cm

膣口から-1cmのところまで子宮が下がっているのがステージ1です。出産女性の多くが、ステージ1の子宮脱を経験しています。この段階の方の多くは、無自覚の状態です。

ステージ2:膣口から±1cm

膣口から-1cmから1cmまで子宮が下がっているのがステージ2です。ステージ2になると子宮脱の自覚症状が生じます。自覚症状としては、股部の違和感や排尿・排便困難などが挙げられます。

ステージ3:膣口から+1cm以上

膣口から1cm以上子宮が下がっているのがステージ3です。この段階になると、治療に手術が必要な場合がほとんどといわれています。できればステージ1〜2までに改善することが重要です。

ステージ4:膣口から子宮が全部露出

子宮が膣口から完全に出てしまっている状態がステージ4です。この場合も、ステージ3と同様に手術が必要な場合がほとんどといわれています。

子宮脱の原因は、骨盤底筋の筋力低下

子宮脱が生じる原因は、出産や加齢による骨盤底筋の筋力低下が挙げられます。

骨盤の中には、子宮や直腸、膀胱などの臓器を支える骨盤底筋という筋肉があります。腹圧によって臓器が外に追いやる力を、この筋肉が抑えているのです。

しかし、出産・加齢によって骨盤底筋が骨盤底を支える力が弱まると、臓器が支えられなくなります。その結果、子宮脱を含め、骨盤内にある臓器が外部に出る骨盤臓器脱が生じるのです。

子宮脱が起こりやすい女性の特徴

子宮脱が生じやすい女性には一定の基準があります。

下記に当てはまる人は子宮脱に注意が必要で、場合によってはすでに無自覚・無症状ながら子宮脱が生じている可能性もあります。

  • ○自然分娩を何度も経験している
  • ○更年期を過ぎている
  • ○重い荷物をよく持つ
  • ○便秘や肥満の傾向がある

上述の通り、出産や加齢によって骨盤底筋の筋力が低下している人は子宮脱になりやすいです。

また、お腹に力をかける機会が多い人なども腹圧によって骨盤臓器が外部に子宮が押し出されることになり、結果として子宮脱になりやすいです。

子宮脱を放置した場合のリスク

子宮脱の症状を放置してしまうと、現時点で生じている症状がさらに悪化する可能性があります。初めのうちは、抱く違和感が小さいとしても少しずつ症状が重くなっていってしまうケースがあります。

また、子宮脱を放置することで排尿・排便が困難になったり、膣壁と子宮が擦れることによる出血や感染症へのリスクも高まってしまいます。

子宮脱の放置には、このようなリスクがあるため、違和感を覚えた際には早めの治療が必要です。

子宮脱を自分で治すことはできるのか?

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子宮脱の症状が生じた際、自分で治すことができるのでしょうか?

状況や症状の進行度にもよりますが、まずは、信頼できる病院で受診されることをおすすめします。まずは正確に現状の把握ができるとよいからですね。

しかし、子宮脱が軽度の場合であれば、自宅で実践できるような予防方法や治療方法を試すことで改善される可能性もあります。

また、出産後は、骨盤が広がることで一時的に子宮脱になることがあります。この場合も、安静にしていることで自然に改善へと向かう可能性があります。

上で書きました骨盤臓器脱のステージ分類では、ステージ1〜2の無自覚か軽度の初期症状が生じている段階の場合には、子宮脱を自分で治すことができる可能性があります。

しかし、ステージ3〜4となると病院の医師に診てもらって、適切に指示を仰ぐ必要がでてきます。

子宮脱の予防方法

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次に子宮脱の予防方法として、以下の方法をご紹介します。

  • ○腹圧の上昇を避ける
  • ○骨盤底筋トレーニング

腹圧の上昇を避ける

前述の通り、腹圧が高い女性は子宮脱になりやすい傾向にあります。そのため、日常生活の中で腹圧が上昇しないように意識をすることが大切です。

腹圧が上がりやすい行動や傾向としては、以下が挙げられます。

  • ○重い荷物を持ったり、力仕事をする
  • ○激しい運動
  • ○コルセットやきつい服を着用する
  • ○激しい咳き込み
  • ○肥満傾向にある
  • ○便秘傾向にある

上記のどれか1点でも当てはまる場合には、その行動・傾向を改善するように意識する必要があります。

骨盤底筋トレーニング

また、家で簡単にできる子宮脱の予防方法として骨盤底筋トレーニングが挙げられます。

子宮脱を含め骨盤臓器脱の原因は、骨盤底筋の筋力低下でした。このため、日常的に骨盤底筋トレーニングを行うことで骨盤底筋を鍛え、子宮脱を予防することができるのです。

以下に骨盤底筋トレーニングの方法を解説します。

座位の骨盤底筋トレーニング

床に座った状態で行う骨盤底筋トレーニングを紹介します。
いろんな方法がありますが、1つの例として、以下の順番を参考にしてくださいね。

  • ○壁に背中をつけて、軽くもたれかかる
  • ○①の状態で両膝を苦しくない程度に開く
  • ○10秒間から20秒間、肛門・膣に力を入れて上に引き上げるように筋肉を使う
  • ○40秒間程度、力を抜いて体をリラックスさせる
  • ○③〜④を10回繰り返す

この骨盤底筋トレーニングなら1日10分間、テレビを見ながらの状態でも実践できます。

仰臥位(ぎょうがい)の骨盤底筋トレーニング

次に仰臥位(仰向け)状態で行う骨盤底筋トレーニングをご紹介します。
いろんな方法がありますが、1つの例として、以下の順番を参考にしてくださいね。

  • ○仰臥位の状態になる
  • ○①の状態で両膝を軽く曲げて、膝を立たせる
  • ○膝・足を肩幅くらいの広さに開く
  • ○下腹部の上に片手を乗せる
  • ○腹部に力が入るのを感じながら、10秒間から20秒間、肛門・膣に力を入れて上に引き上げるように筋肉を使う
  • ○40秒間程度、力を抜いて体をリラックスさせる
  • ○③〜④を10回繰り返す

この骨盤底筋トレーニングなら1日10分間、寝る前の時間に実践できます。

子宮脱の治療方法

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ここまで子宮脱の予防方法を紹介しましたが、場合によっては、すでに子宮脱の自覚症状がある方もいるでしょう。その場合の治療方法として、以下4つをご紹介します。

  • ○ペッサリー療法
  • ○手術療法
  • ○骨盤ベルト

ペッサリー療法

ペッサリー療法とは、ペッサリーと呼ばれるリングを膣内に入れて子宮に引っ掛けることで、子宮が下垂してこないようにする治療方法です。

膣内にペッサリーリングを入れるだけなので体への負担は小さく、手軽に済ませることができます。しかし、この方法は子宮脱を根本的に治療しているわけではないので、ペッサリーリングを取り外すと子宮脱の症状が再び生じることになります。

手術療法

子宮脱を完治させるためには、手術を行う必要があるといわれています。
また、子宮脱への手術には、何種類か存在し、子宮脱の症状やステージによって信頼できる医師と相談しながら決めていく必要があります。

子宮脱への手術 説明
子宮の摘出 下垂している子宮を手術により摘出する
膣縫縮 膣の筋膜を縫合し、縮めることで下垂を抑える
子宮摘出・膣縫縮 子宮を摘出し、膣の筋膜を縫合・縮める。従来法とも呼ばれる
経膣メッシュ手術 膣の筋膜のうち、傷ついている部分にメッシュシートを貼る
膣閉鎖 膣前後を縫合し、子宮などの臓器下垂を抑える
腹腔鏡下仙骨腟固定 腹部に数カ所穴を開け、子宮脱により下垂した膣を仙骨に固定する
ロボット支援下仙骨腟固定 「腹腔鏡下仙骨腟固定」をロボットを使うことでより精密に行う手術

骨盤ベルト

骨盤ベルトを骨盤の下側に適度な強さでつけることで、骨盤の内圧を下げ(空間を作り)、子宮も含めた骨盤臓器を上げる方法です。

予防方法や軽度の子宮脱の治療方法として骨盤底筋トレーニングを挙げました。しかし、産後や更年期は筋力をすぐにつけることが難しく、初めのうちは骨盤ベルトのような道具を用いることがおすすめです。

弊社が開発した「下半身美人ベルト( https://bijinbelt.net )」は25万人以上の妊婦さん、産後ママさんの骨盤矯正の実績から制作したものです。興味のある方は、こちらから詳細をご覧いただけます。

子宮脱を自分で治す方法まとめ

本記事では、子宮脱を自分で治すことができるのか等について解説をしました。

子宮脱を放置すると、手術が必要になる場合もあります。このため、少しでも自覚症状があるなら骨盤底筋トレーニングや日々の骨盤ベルトの使用などをおすすめします。

また現時点で子宮脱の症状にはっきりと自覚がある場合には、医師に診てもらうことをおすすめします。

子宮脱の症状に合わせて適切に治療を行うこと、また日々の生活で予防をしていきましょう。

よくある質問

子宮脱に関するよくある質問をまとめました。

子宮脱の治療には手術が絶対に必要ですか?

ステージ3〜4の子宮脱を完全に治療するには、手術が必要です。しかし、軽度の子宮脱であれば骨盤ベルトの着用や日々のトレーニングなどで改善していくこともできます。

ご自身の症状や進行具合を鑑みながら、場合によっては医師などの専門家に相談をして適切な処置を判断しましょう。

子宮脱を手術なしで治療するにはどうすればいいですか?

子宮脱の原因は、出産・加齢による骨盤底筋の筋力低下や腹圧の上昇が挙げられます。このため、骨盤底筋を鍛えたり、腹圧が上昇しないような日々の生活が大切になります。

状況によっては手術が必要ですが、トレーニングやベルト、ペッサリーなどの道具で改善できる場合もあります。

子宮脱を放置したらどうなりますか?

子宮脱を放置すると、排尿・排便が困難になったり、性機能障害の発生や膣の筋膜から出血することによって感染症が発生する場合があります。他にも痛みが生じることで歩行できなくなる方などもいます。

子宮脱になった時にやってはダメなことはなんですか?

子宮脱を防止するためにペッサリーリングや骨盤ベルトを使う方は多いですが、同じような理論で「膣に何かを詰めればいい」という発想の元、トイレットペーパーやティッシュをつめる人もいます。

しかし、紙パルプは水分で溶ける性質があるため、膣内に張り付き雑菌が発生。そこから感染症につながるリスクもあります。

このため、紙類など不適切なものを膣に詰めることはしてはいけません。

子宮脱でも性交しても良いですか?

可能ですが、子宮脱で膣壁が傷ついているために痛みが生じる場合があります。このような痛みを感じた場合、病院で受診することをおすすめします。

子宮脱を自分で治した場合、妊娠できますか?

子宮脱になったとしても妊娠はできます。また、子宮脱の症状が胎児に影響を及ぼすこともありません。

しかし、子宮脱により感染症が生じることで母体・胎児への影響が発生することもありますので、早めの治療をおすすめします。

妊娠中に子宮脱になることはあるでしょうか?

妊娠中に子宮脱になるケースは、産後と比べると多くはありません。それよりも出産時に胎児とともに子宮が下垂してきたり、産後に骨盤が緩み下垂する場合が多いです。

寝ている時、座っている時は気にならないのですが放置すると悪化しますか?

寝ている時、座っている時に症状がなくとも、子宮脱がなくなるわけではないので放置すると悪化する可能性があります。実際、歩行時のみ子宮脱の自覚症状がある方は少なくありません。

子宮脱は病院の何科で診てもらえますか?

病院の泌尿器科・女性泌尿器科・婦人科などで受診が可能です。他にもウロギネ外来などのように、女性特有の骨盤臓器脱を専門に扱う科が存在する場合もあります。



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